昨年末の当欄で、「水かけっ子はアレルギー知らず」という記事をお届けしました。 (まだ見ていない方、もう1度見たい方は、ここを[vol.4「水かけっ子…」]をクリックしてください)
わが子に風呂上りの「水かけ」を課して育てたという、3人の母親の報告は、大きな反響を呼びました。その子たちは、全員アレルギーゼロ、めったに風邪もひかないという、ピカピカの健康優良児だったのです。
ママたちの話をピックアップしてみましょう。
長女と長男、次女の3人の子供を、すべて風呂上りに水をかけて育てた新井美紀さん「どの子もアレルギーは発症していないし、風邪をひいても鼻水くらいで、めったに熱を出すことはない。3人ともおたふく風邪、インフルエンザにもかかっていない」。昨年末には、次女の通う幼稚園がインフルエンザで学級閉鎖になったけれど、娘1人どこ吹く風、感染しなかったとも。
3人の男児の母、松尾由紀子さんは、長男と次男は生後5ヶ月から、3男は生まれてすぐシャワーで[水かけ]を実践。「3人に共通していえるのが、風邪をひきにくいこと。たまに熱が出ても、翌日には平熱に下がり、寝込むことはない。アレルギーもない」とのこと。
田村光世さんは、フルタイムで働く3児のママ。長女、次女とも生後6日目から、末の長男は生後半年から「水かけ」を開始して、それぞれキャリアは7〜3年。「どの子もめったに風邪をひかない。インフルエンザにもかからない。アトピーも出ない。子供たちが健康だから、安心して働ける」と誇らしげ。
3人のママは、口をそろえて「風邪をひかない。インフルエンザにもかからない。アレルギーも出ない」といってます。おそらく今回の新型インフルエンザも“パス”でしょう。
[水かぶり]の刺激で、
からだを守るホルモンの分泌を促す  
[水かぶり]は、シャワーで水を浴びるだけの、単なる“水浴び”です。それがなぜ、これほどアレルギー予防や風邪に“効く”のでしょうか。
水をかぶると、寒さの刺激でビクッとします。すると、本能的にからだを守ろうとして、副腎という組織から、副腎皮質ホルモンの分泌が盛んになります。
副腎皮質ホルモンとは、風邪ひきやアレルギーなど、様ざまなトラブルを抑えてくれる、免疫力の王様です。つまり[水かぶり]でからだを刺激することによって、からだを守る副腎皮質ホルモンを多く分泌して、抵抗力をつけることになるのです。
[水かぶり]は単なる民間療法ではない、医学的な根拠に基づいていることがおわかりでしょうか。
小山内医師は、生前、子供に[水かけ]をして育てるよう、強く主張されました。 今の子供にアレルギーが多く、風邪をひきやすく、皮膚が弱かったりするのは、副腎皮質ホルモンの分泌が不十分だからだと。生まれたときから暖かくくるまれ、冷暖房完備の中で育ち、寒さ暑さの刺激が少ないから、副腎がなまけて、副腎皮質ホルモンの分泌が減少しているせいだと。
そこで、1日1分でいいから[水かぶり]を習慣づけて、副腎を鍛えて、ホルモンの分泌を盛んにしようと提案されたのです。
子供のときから[水かぶり]をすると、副腎がしっかり育って、ホルモンを多く分泌するからだに育ちます。大人になると、副腎の成長は止まってしまうので、成長期に[水かぶり]することは、とても大事なのです。
しっかり育った副腎を持っていれば、成人してから病気になったときも[水かぶり]をして、自前のクスリ・副腎皮質ホルモンを分泌して、病気を抑制する効果が期待できます。 じつに副腎の育ち具合は、その人の一生の健康を左右するのです。
[水かぶり]は小さい子供ほどよく効く
[水かぶり]は簡単です。風呂上りや運動をして汗をかいたあとに、1分ほど水シャワーを浴びます。手桶なら10〜20杯、できれば頭から浴びてください。髪がぬれるのがイヤなら、顔からでもOKです。
[水かぶり]は寒い時ほど刺激が大きいため、その効果も大きいのですが、真冬にすすめてもなかなか聞いてもらえません。水浴びが気持いい今の季節なら抵抗は少ないし、冬まで続けることができるでしょう。
アトピーや喘息を持つ子供は、ひと冬越すと、かなり症状が改善されます。2シーズン過ぎれば、ほぼ完治するでしょう。
子供によってはすぐに改善効果が得られる場合もあります。
最近、四国のSさんから次のようなメールが寄せられました。
小山内博先生の著書『生活習慣病に克つ新常識』を5年前に読み、本当に助けられたものです。
というのは、現在6歳半の娘が1歳半のときに、原因不明の湿疹というか蕁麻疹にかかり、医者にみてもらってもまったくよくならなかったのに、小山内先生の[水かけ]を実践したら、約1週間(正確には5日間)で完治してしまったのです。
その時は、その事実が信じられませんでした。
その後、アトピーで苦しむ思春期の知人、何人かにこの方法を教えたところ、約1ヵ月後には全員症状が改善し、肌もずっときれいになりました。
このような経験から、医者はなぜ、お金もかからず、簡単に治るこの方法を、患者に教えないのか、不思議でならず、強い不信感を覚えました・・・
このような即効のケースもあるのです。
やってみる価値はあると思いませんか。
アレルギーに強くなるということは、反応を抑える力があるということで、いろいろな病気に対して抵抗力が発揮されます。ふだんから[水かぶり]をしていれば、新型インフルエンザのような新しいウイルスが侵入してきても、おそれなくてすみますし、たとえ感染したとしても、軽症ですむでしょう。
新型インフルエンザの流行をきっかけに[水かけ]をはじめて、大きな健康を手に入れませんか。
(文責 高木亜由子)
[水かぶり]について詳しく知りたい方は、小山内博著『生活習慣病に克つ新常識』『今すぐできる体質改善の新常識』(ともに新潮新書)『なまけもののマウスからがんになる』(光文社知恵の森文庫)などを参考にしてください。
(2009年8月28日)  
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