水かぶりを成功させるコツ

おなじみ中西保健師が「水かぶり」初心者にコツを伝授

『「水かぶり」でアレルギー知らず!』発売から2カ月ちょっと経過しました。
お読みいただいた方、感想はいかがでしょうか。
期待したほどの反響ではありませんが、ポツポツと感想や質問のメールが寄せられ、じわじわと広がっているような手応えがあります。
多くの方は、本を読んで「水かぶり」を実践しようとされているようで、具体的な問い合わせがいくつかありました。
とくに多かったのが「水かぶり」のやり方について。私は自分が毎日行っているものですから、シャワーで水を浴びるなど、簡単なことと思い込み、詳しい説明はしませんでした。しかし、はじめてトライする人にとっては、夏とはいえ「水かぶり」はたいへんな決断を要する行為なのですね! 
保健師の中西ヒロ子さんによると、「日頃、朝の洗顔さえもお湯に慣れた人たちにとって、水の冷たさは格別のようで、からだに水をかけると聞いただけで、とんでもないと“即、拒否”の反応を示す」そうです。そういう方たちが思い切ってチャレンジしようというのですから、もっと丁寧に対応すべきでした。
そこで、遅ればせながら、中西さんに「水かぶり」入門を指導していただきました。
中西さんは、
中西さん
日の出町時代の中西保健師。子どもはみんな水かけっ子だ。
東京都日の出町に在職中、保健師として住民の健康づくりに貢献し、「水かぶり」でアレルギーの予防・改善に大きな成果を収めたことでよく知られています。当HPの読者には、もうおなじみですね。
どうしても踏み切れない方、まだ暑さの残っている今のうちにトライしてください。


★ まず「水かぶり」のタイミングについて。
「水かぶり」健康法を生活習慣にするためには、日々の入浴時に行なうのがベスト。
★ 水温について
風呂の湯温は41℃〜43℃  水温は14℃〜15℃ が理想的。
因みに水道水は、夏は18℃〜21℃ 冬は16℃から18℃
*  湯と水の温度差が20℃以上あれば効果が得られるので、あまり神経質にならなくてもよい。
★ はじめて「水かぶり」をする場合。なかなか踏み切れない人は まず、湯船につかり、汗が出そうになるまでしっかり温まった後、順次水シャワーをかける
・  手首、足首から始める。慣れたら
・  膝下の部分に十分にかける。慣れたら
・  太もものつけ根までかける。
以上1週間くらい続けられたら、
・  順次腹部〜胸背部、頚から下の部分に水かけする。
水の冷たい刺激が、副腎を作用させることになるので、膝下部分だけでも効果が得られる。とにかくちびちびでも始めてみることが肝心。
夏場の今だったら、すぐに慣れて「水かぶり」の気持ちよさに開眼する人もいるはず。その人たちは、1分間全身に水シャワーを浴びるだけで、湯船につからなくてもOK。
どうしても水の冷たさがつらい人は、再び湯に飛び込んで、水―湯―水を各1分、何度かくり返す温冷浴がおすすめ。その場合、終わりは水でしめる。最後にはからだがポカポカしてきます。
時間を計るには、「水かぶり」の1分は長く感じるので、目で見える砂時計(1分用)が適しています。

赤ちゃんや子どもに行なうとき

ものをいえない赤ちゃんには、まず母親や父親が水シャワーとはどんなものか体験してから行なってください。
生まれたての赤ちゃんは、この人間社会の文明の恩恵にあずかっていない分、割合自然に水浴が受け入れられるようです。赤ちゃん、水シャワーとはどんなものか体験 水をかけはじめたとき、少々びっくりして泣きますが、30秒くらいで“こんなもんか”といった表情になります。
暑い夏、涼をとるために、ちょっと前までは“行水”がすすめられました。行水をしている赤ちゃんは、とても気持ちよさそうにしていたものです。
乳児期以降の子どもたちには、入浴時に遊び感覚で水かけっこをしてやれば、水の冷たさをいやがらず、最後に風呂から上がるときは“水をしっかりかける”習慣が身につくことでしょう。
たとえ、子どもが大泣きしても、親がすぐ側にいて、声をかけながら一緒に水浴びしていたら、入浴を嫌がるような子になることはありません。それどころか、逆に入浴が好きになる子が多いようです。
★ 子どもが風邪気味で、37〜38℃くらいの体温の時
いつもどおりに水かけして大丈夫です。「水かけ」の刺激により副腎が活性化するためか、解熱することが多く経験されます。
嘔吐や下痢が続いて、入浴する体力がない場合は見合わせますが、ほぼ、軽く入浴させ、水かけした方が機嫌がよくなります。               
次回は「食後の運動」について特集します。
「水かぶり」についで多く質問が寄せられたのが同テーマでした。
バトミントンの元トップアスリートで、小山内理論にも詳しい、高岸陽子さんに聞きます。
お楽しみに!
(文責 高木亜由子)
2013年8月30日  

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『「水かぶり」でアレルギー知らず!』小山内博士の、生命をつよくする子育ての知恵